外貨ex byGMO 公式note
高速/高頻度取引システム外貨ex byGMOを支える技術 ~専門技術と経営目線が両立するエンジニア組織の作り方~
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高速/高頻度取引システム外貨ex byGMOを支える技術 ~専門技術と経営目線が両立するエンジニア組織の作り方~

外貨ex byGMO 公式note

外貨ex byGMOで執行役員を務める立花 慶寛さんが、外貨ex byGMOを支えるエンジニア組織について語ります。

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立花 慶寛:小規模なインフラ構築や基幹システムのPG/SEとして下地を積み、2010年に金融業界を専門としたSIerに転職。
銀行や証券会社を中心に、OTCデリバティブ商品を取り扱う市場系システムの提案や設計、業務構築支援などの経験を積み2018年8月に外貨ex byGMO(当時YJFX!※)に入社。ディーリングシステム開発プロジェクトPMやソフトウェア開発部門マネージャーを経て、現在はシステム管掌の執行役員を務める。

※当社は2021年9月27日に社名を変更しました。そのため以下文中の社名は現在の社名に修正しております。(2021年9月27日)

High-Frequency Tradingを支えるエンジニア組織

ー エンジニア組織について教えてください。

「アプリケーション開発のエンジニア」「金融に特化したエンジニア」「システムアーキテクト」の3つのタイプがいて、割合はおおよそ4:4:2です。

在籍するエンジニアは約15人、主にサービスの企画/設計を担います。常駐型業務委託も含めると約50人の開発組織です。

我々に共通しているのは「事業を推進するためにシステムを構築する」というサービス志向の価値観。外貨ex byGMOのサービス向上に向けた施策が、システム上の品質を担保しているか判断し、実装のために適切なアーキテクチャを選定することが仕事です。

ー アプリケーション開発に求められる技術的なやりがいや難しさを教えてください。

外貨ex byGMOは、いわゆるHFT(High-Frequency Trading)と呼ばれる高速/高頻度取引システムです。銀行などから受信するプライス(外国為替市場における外国為替レート)のメッセージ数は、平常時でも秒間1万件程度に上ります。

さらにお客さまからの注文系トランザクションは、平常時で1分間に千件~数千件。2020年3月に大幅な相場変動によるサーバ負荷上昇が発生した際は、分間最大で2万件を超えていました。

当然ながら、HFTにおいてレイテンシーの発生は最重要課題となります。特に、FXにはスリッページと呼ばれる、注文の約定時に生じる発注レートと実際に約定したレートとの差が発生する現象があり、相場の急落/急騰によりレート差が大きくなる場合もあり得ます。そのため、注文してから約定するまでの間で、一定時間の遅延が発生すると注文は無効となります。

想定外のレートで約定されてしまうリスクを回避できるので、制度としては正しい措置です。しかし、レイテンシーの発生による無効注文は、お客さまにとって機会損失にもなるので外貨ex byGMOの信用問題に関わってきます。

レイテンシー発生の課題をはじめ、システム要件の高さも技術的にチャレンジしがいがあると思います。

ー 「金融に特化したエンジニア」とは具体的にどんなタイプですか?

統計学や金融工学を主軸にしてきた、金融業務の知識を持つエンジニアです。実は私もそのタイプ。

金融業務とは、例えば「銀行とネットワークをつないで約定の授受をする」という要件に対して、どのように価格を生成し、どういった内容でデータの授受をして、どう勘定を立てるのか。いわば証券外務員の資格試験に書いてある金融の業務ロジックを、そのままシステムに起こせるエンジニアです。

当社に在籍するエンジニアでも、ITベンダーサイド出身でこのタイプが多いですね。

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マイクロサービスアーキテクチャによるシステム刷新

ー 執行役員として技術組織をつくる時、どんなことを大切にしていますか?

「小手先をしない」ことです。当社はヤフー株式会社の100%子会社(取材時点)。ヤフー自体がインターネットを軸足としたメディアカンパニーであり、サービスインまでの時間を最大限短くすることで、機会獲得のチャンスを得るのがセオリーです。

当社はメディアカンパニーに所属しながら、FXや投資信託を扱う金融機関でもあります。金融機関のミッションは、末永くお客さまの資産を保全し、高い品質で運用すること。そのため、外貨ex byGMOのシステム開発は、サービスインまでの最大限短くしつつも、汎用性やスケーラビリティのある基盤開発が求められます。だからこそ「小手先」ではなく「現時点でのあるべき」を重視しています。

ー 技術の進歩は加速度的に進んでいるため、システム運用するうえで技術的負債の蓄積は不可避となります。FXのように24時間365日稼働してるシステムを一括刷新、というチャレンジが難しいなか、どのようにこの課題を解決しようとしていますか?

例えば、2年間かけて外貨ex byGMOを一括リプレイスするといったモノリシックな選択肢は、常時取引が発生するFXのような金融サービスには不向きととらえています。

そのため外貨ex byGMOの機能に沿って、システムを複数の小規模機能に分割し、それぞれを連携させることで外貨ex byGMO全体のシステム構成を実現できるような、マイクロサービスアーキテクチャをベースとした基盤開発を重視しています。

マイクロサービスアーキテクチャの利点は、トレンドに即した頻繁な機能拡張、高可用性とスケーラビリティが実現できることで、外貨ex byGMOと親和性が非常に高いです。そのため、土台となるアーキテクトの刷新も始まっています。

直近では、ディーリングの基幹システムを、オンプレミスからプライベートクラウドに移設するプロジェクトが進行中です。今後外貨ex byGMOで扱っているアプリケーション・サーバーを、プライベートクラウドもしくはPaaS/SaaSに移設する予定です。

ー このタイミングで入社すると、いろいろな技術チャレンジができそうですね。

はい、とてもおもしろいフェーズなので、技術的にチャレンジしがいがあると思います。

ITシステムベンダーやSIer側にいると、事業者が用意した製品やアーキテクチャを使うことが前提になってしまいがちですが、当社ではゼロベースで技術選定していく経験が得られるのも醍醐味です。

マイクロサービスアーキテクチャによって構成されたミドルウェアやアプリケーションを搭載するためのコンテナソリューションの選定から、CI/CDのビルドオートメーションの構築などを、当社のアーキテクトが推進しています。

また、現状のアプリケーションをコンテナに最適化させつつ、プライベートクラウドでオートスケールを可能にする環境を整備するために、データセンターの新設も並行して進んでいます。

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最新技術のキャッチアップと「枯れた技術の水平思考」のバランス

ー 外貨ex byGMOで導入する技術の選定軸は?

採用している技術自体は、決して最先端のものではありません。任天堂の横井 軍平さんが提唱する「枯れた技術の水平思考」にあるとおり、コモディティ化することで安定に至った技術を活用し、ビジネス課題を技術で解決することを重視しています。

システム全般に関しては、安定性や保守性を考慮して言語をメインとしていますが、レイテンシーに直結するアプリケーション内のデータコントロールに関しては、オンメモリデータベースを積極的に活用して、データベースへの問い合わせ回数を減らすなどの工夫を行っています。

現在のシステム構成は、銀行などの金融システム向けというよりも、旅行代理店の予約システムや小売店システムなどで使われていそうな構成になっているかもしれません(笑)。

アプリケーション自体はこういった工夫を凝らすことで、胸をはってうまく作っていると感じる部分が多い一方で、まだまだレガシーな部分も多く、今後の刷新で課題を解決しながらモダン化していけたら、と考えています。

ー 最新の技術はどのようにキャッチアップし、プロダクトに反映していますか?

当社のエンジニアに求められるのは、事業の推進のためにどのようなシステム戦略をとり、方針や指示を意思決定していくかです。自分が任された技術領域で、どう社内外と調整しつつ、トレンドをとらえながら実装とリリースまでを実現するか……裁量権と責任がセットの仕事です。

必然的に、手を動かすだけでは仕事は回らないので、効率的に技術のキャッチアップするための工夫が求められます。

当社は大手技術系ベンダー企業とシナジーが強い関係にあります。各社が積極的にPoC(Proof of Concept)に協力してくれるので、概念実証した結果を実演する機会が頻繁にあります。テック系サミットや金融サミットなどに参加しているので、そこで得た知見を業務委託に共有してPoCのサイクルに活用するなどもしています。

社内でもいろんな技術分野での勉強会が開催されますし、最近はハッカソンイベントの企画も検討しています。

自ら手を動かす時間の何倍も濃密な時間を体験することで、技術のキャッチアップを効果的にできるような環境づくりが回っているのが特徴です。

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エンジニアとして求められるビジネスサイドの経営目線

ー 社内のエンジニアに共通している「サービス志向の価値観」とは?

当社のエンジニアに欠かせないのが「収益と全体最適」の視点です。

エンジニアは性質上、どうしても技術に目線が集中しがち。新しい技術を導入することへの探究心は共感できますが、時にそれが目的になりがちです。当社は金融機関なので、お客さまの収益を保全し運用するための、収益と全体最適が必須です。

技術的に最適なものではなく、事業に対して最適であること。事業に対してその技術の選択が、コスト的にもお客さまメリット的にも適切かどうかを考える必要があります。

「技術は目的ではなく手段である」という考え方を身につけるのが、入社して一番最初のミッションかもしれません。

ー サービス志向を身につけるために必要な習慣とは?

俯瞰した視野を持つため、ビジネスレイヤーの視点にも目を向けることです。会社のIT投資規模に対して、自分たちの技術施策が投資に見合うかを調べるのも一つのやり方です。当社の財務情報は開示資料として一般公開されていて、IT投資規模は運用費を除くと12億~13億円です。

例えば、来期に新しい技術を取り入れようとすると、20億円の見積もりが算出されたとします。当社の営業利益は年間30億円なので、20億円の投資を5年間で減価償却したとしても、その間のプロフィットロスは発生します。だとすると20億円を投じてその技術を取り入れることが、過剰投資であると考えられます。

あえてわかりやすい巨額の事例を出しましたが、こういった視点は開発現場でプレイヤーとして動いている限り、なかなか見えてこなかったりします。

しかし、エンジニアが技術選定をする際「この技術を導入することで、どの程度の投資効果が見込めるのか」と考えるのは、重要なスキルだと思っています。

このように、一見すると技術とは無関係な会社の財務や決算資料を意識的に見るようにするのも、効果的だったりします。

ー どんなエンジニアと一緒に働きたいですか?

金融機関に限らずですが、国内のシステムエンジニアはシステム運用ポリシーや組織上の課題で、技術的にチャレンジしづらい環境にあります。

当社の風土はむしろ「チャレンジ大歓迎」です(笑)。ご自身が培ってきた金融やシステムの知見を使って、サービスや業績に貢献したい人を募集しています。

特に、プロジェクトマネージャーやアーキテクトリードは絶賛募集中です。現場から叩き上げてナレッジを培ってきた結果、プロジェクトの中心人物になったような方は、しがらみに頭を悩ませることなく、外貨ex byGMOで伸び伸びと活躍できると思います。

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外貨ex byGMOでは、共に働く仲間を募集しています。ご興味をお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。




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【レア】ありがとうございます!きっといいことありますよ!
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