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円安って?生活にどんな影響があるの?市場リスクアナリストが海外旅行に例えて解説してみた

外貨ex byGMO 公式note

2022年に入ってから為替相場が大きく変動し、20年ぶりの「超円安」といわれています。ニュースでも大きく取り上げられるようになった「円安」ですが、それが私たちの生活にどう影響しているのか、イメージしづらい方もいるのではないでしょうか?

そこで今回、外貨ex byGMOの市場リスクアナリスト、清野さんに「円安」について解説をお願いしました。

清野 直之:外貨ex byGMO市場リスクアナリスト。銀行のPB系部署で経験を積んだ後、自ら思い描いたプライベートバンキングサービス、アセットマネジメントサービスを提供するため独立。すぐに軌道に乗るも世界金融危機ですべてを失い、リスクマネジメントの大切さを思い知らされる。その後は金融リスクと数理的な技術を学ぶため、複数の金融機関を渡り歩き今に至る。


こんにちは、今回の記事を担当する外貨ex byGMOの清野です。この記事では「円安」についてなるべくわかりやすく解説したいと思います。
 
「円安」と言うからには日本の通貨「円」が安くなったのだろうとは想像できますが、私たちの生活にどんな影響があるのか、なぜ円安で物価が上がるのか、いまいちわかりにくいのも確かです。普段の買い物で「円が安くなったな~」なんて実感することもなかなかありませんよね。

そこで今回は、円安を一番実感できる「海外旅行」を例に考えてみたいと思います。


「円安」が進む=海外のモノやサービスが高くなる

行先は「円」を「ドル」と比較してみたいので、ニューヨークにしましょう。

ニューヨークに来たからにはブロードウェイやタイムズスクウェアにも行ってみたいし、パークアヴェニューのステーキハウスでお肉とワインを堪能したい!

それならタイムズスクエアや、あの有名なエンパイア・ステート・ビルディングにも歩いて行ける地区「ヘルズ・キッチン」に宿をとるのがおすすめです。

ヘルズ・キッチンはハドソン川沿いのミッドタウンに隣接していて、フレンチの名店やおいしいラーメン屋さん、おしゃれなバーなどがたくさんあり、ニューヨーク観光の拠点として最適な場所です。
小室眞子さんと圭さん夫妻がこの地区に新居を構えたことで、日本で注目を集めた地区でもあります。

さて、数日の滞在であれば専用バスルーム付きの20~25㎡程度のワンベッドルームが無難でしょう。イメージとしては、「東横イン」や「アパホテル」などの「THEビジネス・ホテル」ですね。早速よさそうなホテルを探してみましょう・・・。

ちょうどよさそうなホテルを発見しました。

「バスルーム付き、エアコン完備か。ロケーションも最高だからこれにしよう。値段は一泊TAX込みで450ドルね。
今1ドル143円(※)だから、日本円に換算すると…約64,000円!?
※9月16日執筆時点

・・・そうです。現在のヘルズ・キッチンのビジネスホテル1泊の相場は、450ドルから500ドル。日本円で約64,000円から72,000円ほどなのです。

ちなみに、このクラスはヘルズ・キッチンで「ストレスなく普通に泊まれる」ホテルの最低ラインです。ヘルズ・キッチンのホテルは設備が古く、手頃な料金、例えば一泊150ドル~200ドル(約16,000円~28,000円)のホテルだと、シャワーからお湯が出ない、トイレが使えないなんてことも普通にあります。

これが、約6年前の1ドル101円の時であれば一泊45,000円から50,000円10年前の1ドル77円の時には一泊35,000円から38,000円程でした。現在と比較すると大きな差があります。当時は物価や人件費が今よりも安かったため、実際にはさらに安い感覚だったでしょう。

円安が進むと言うことは、海外旅行での宿泊代や食事代が高くなる=海外のモノやサービスが高くなると言うことです。


物価上昇(インフレ)の原因の一つでもある円安

円安によって、日本国内で売られている商品の価格も上昇します。
日本はさまざまな商品の原材料である資源が乏しいため、それらを外国からの輸入に頼っています。原材料の価格が上昇するということは、できあがった商品自体の価格も上昇するということです。
 
もっと重要なのが、天然ガスや石油などのエネルギー資源も海外から輸入しているという現実です。エネルギーの価格が上がれば、直接海外の原材料に頼っていない産業においてもコストが上がってしまいます。 
どういうことかというと、漁船やトラクターの燃料は海外からの輸入に頼っていますので、日本国内の農畜産業や漁業で収穫される食糧の価格も上昇するかもしれません。


海外から見たらとってもお得!円安は観光業界にとって大きなメリットがある

デメリットばかりが目立つ円安ですが、もちろんメリットもあります。
海外から日本に旅行に来た場合を考えましょう。東京都内のビジネスホテルに宿泊する場合、現在の相場は約3,000円~5,000円ほどです。
ドルに換算すると、20ドル~35ドルです。実はこれはとても凄いことで、例えばニューヨークでの平均的なランチの価格が25ドルですから、日本に来た旅行者は牛丼感覚で世界一清潔で快適なホテルに宿泊出来るのです。 

宿泊業界では安さと快適さは大抵の場合トレードオフの関係(両立できない関係)にあります。世界中どこにいっても、きれいなシーツとトイレにありつくためには高いお金を支払う必要があるものですが、日本だけが数少ない「例外の国」なのです。
それに加えて、料理やお酒も安くておいしく、都内から電車で1~2時間も移動すればきれいな自然や温泉もある。そしてどこに行っても治安が良い・・・。
これほどまでに観光資源に恵まれた国は日本以外にあるでしょうか?

コロナ禍の入国規制も緩和の方向に向いているため、円安環境は日本の観光業界にとって大きなメリットと言えるでしょう。


なんとなくわかったつもりでいた「円安」。
この記事では「円安」が個人の生活に与える影響やメリット、デメリットについて触れました。よりリアルな「円安」の感覚がお届けできていたら幸いです。

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